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「そろばん」のメリット・デメリット

習い事ランキングでは常連とも言える「そろばん」についての考察を書きたいと思います。

 

小学校でも百玉そろばんを使用するところは多いですね。
計算の導入、特に繰り上がりや繰り下がりをイメージするには、非常に優秀なツールですね。

 

さて、本題。
皆さんは「そろばん」というとどんなイメージを持ちますでしょうか?

 

「費用が安価なのでお手軽に始められる」
「計算力が付きそう」
「算数が得意になりそう」
「集中力が付きそう」
「珠算1級持ってます、とか言ったら就職に有利そう」

多くの方は、上記のようなイメージをお持ちかと思います。

 

このようなイメージはおおむね間違っていません。(最後の「就職に有利」だけはケーズバイケースですが)

 

ですが、必ずしもそうではない部分があります。就職有利、以外の4つの中から選んでみてください。
①「費用が安価なのでお手軽に始められる」
②「計算力が付きそう」
③「算数が得意になりそう」
④「集中力が付きそう」

 

答えは、③「算数が得意になりそう」です。
では、何故、算数が得意になるとは限らないのでしょうか?

 

そろばん式計算力の仕組み

その話をする前に、皆さんは「そろばんをすることで計算が得意になる仕組み」を考えたことはありますでしょうか?
ご自身がそろばんを習って、それなりに身に付いた経験のある方はすぐに分かりますね。

 

そうです。
そろばんで身に付く計算力とは、端的に言うと「頭の中にそろばんをイメージして、それを機械的に動かして、答えの形に移動させることが出来ること」なんですね。

 

そろばんというのは、四則演算(+-×÷)を全て、そろばんの中で処理をすることが出来ます。しかも、玉を動かすだけで。
しかし、これは逆に言えば、どこまで行っても「玉を動かすことしかしない」ということです。

 

これが③「必ずしも算数が得意になるとは限らない」に繋がる、多くの方が見落としやすい部分です。

 

そろばんの欠点

それは「演算そのものの本質的な理解は無くても、玉を動かすことで数的な処理が出来てしまう」ということです。
そこには、足し算の意味・割り算の意味は存在せず、ただ単に、そろばん上に「答えが表示される」というものです。

 

凄く乱暴な言い方をすると、頭の中に「そろばんという名の自分専用の電卓を作る」というのが分かり易いかもしれません。

 

これは、単なる計算問題だけであれば、見たままの至極単純な意味なのでそれほど影響はありませんが、問題は読み解きが必要とされる文章題などです。

 

例えば、早さ・距離・時間に関する問題。
例えば、割合の問題。
例えば、線分図を使って解くような問題。
例えば、規則性に着目しないと解けないような問題。
※どれも中学受験には必須の分野です

 

こういったものは、問題文の持つ意味を算数の意味に照らし合わせながら読み解き、そして、必要に応じて計算をします

この順番が曲者です。
第一に「問題文の持つ意味を算数の意味に照らし合わせながら読み解き」
そして「必要に応じて計算する」
ということ。

 

これは言い換えると「算数的な読み解きが出来ないと、計算力を生かす場がない!」ということです。

 

もちろん、読み解いてしまえば、あとはそろばんで鍛えた計算力が超絶威力を発揮します。
どんな複雑な計算も、ちょろいものです。瞬殺です。(なんせ、自分の頭の中に電卓があるのですから)

 

そろばんは継続が大事

もう一つ、そろばんを習わせる上で覚えておいて欲しいのが、ある程度の期間続けないといけないということです。
この「ある程度の期間」の目安は、手で書いて計算する(筆算)よりも明らかに暗算の方が速い、という水準になるまでです。

 

ここまでは続けさせてください。

 

何故か?
答えは、手で書いて計算した方が速いと、頭の中でそろばんを動かすことをしなくなるからです。

 

頭の中でそろばんを動かさなくなるとどうなるか?

 

どうなると思いますか?

 

答えは「そろばんを上手くイメージできなくなる」です。
これは「そろばん式の計算力を失う」ということを意味します。
非常にもったいないです。

 

ですので、やるのであれば、筆算よりも明らかに暗算の方が速い位になるまで続けさせてください。

ちなみに、ある程度算数の出来る子供をもっと得意にさせようと思って、そろばんに通わせようと考える方がいらっしゃいますが、はっきりと言います。
そういう子はもう手遅れです(笑)

 

ある程度出来る子は頭の中でやる方が得意になりつつあるので、そろばんを弾いて答えを出すのが面倒くさいんです!!!
だから、非常にそろばんが身に付きにくいです。

 

そういう子には公文式の方が良いですね。
公文は普通に問題を解きますから。

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ここまで書くと「なんだよ、そろばんってデメリット多いじゃん」と言う方がいらっしゃいますが、そういう訳ではないです。
公文式同様(いや、公文式以上ですかね)、やり続けると超絶計算力が身に付きます。これは一生の財産になります。

 

 

そろばんを習わせるのであれば…

間違えてはいけないのは「そろばんだけで算数の全てをこなせる」と勘違いしてはいけないということです。

(よくある例)
「うちの子、そろばんが超出来るようになったから、このまま中学受験の算数もいけんじゃね?」
→大きな間違いです。そろばんだけでは、中学受験算数は太刀打ちできません。。。

 

「そろばん」はあくまでも計算力としての下支えですので、「そろばん」とは別で「考える力」のトレーニングを行うことで、その計算力は絶大な威力を発揮します。(そういう意味では公文と同じですね)

 

そろばんを習わせようと考えている方で、なおかつ中学受験を考えている方は、「そろばんに通わせることで何を身に付けさせたいのか?」を明確にした上で、論理的思考力図形把握能力などを補完するような遊びや習い事を一緒にするのを、おすすめいたします。

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